KDDIは3月9日、ハンドホール形状の埋設型5G(第5世代移動通信システム)基地局をKDDI大手町ビル内敷地(東京都千代田区)内で運用開始したことを発表した。この基地局を活用することで、景観への配慮が必要な場所におけるエリア化の加速を狙う。
従来の鉄塔設置型基地局やビル屋上設置型基地局では、アンテナが露出しているために景観に影響を与える可能性があり、美観地区への配慮として工夫が求められていた。同社はその解決手段の一つとして、基地局設備を地表面下に設置する埋設型基地局の導入に至ったとのことだ。
なお、同社は2018年から埋設型基地局の商用運用開始に向けた検討を進めている。2022年12月には基地局の電波発射に成功し、2023年2月までに半径約50メートルの通信エリアが確保できることを確認したという。
埋没型の基地局は上方に電波を輻射し、地上に沿ってエリア化する。防水性の高い金属製の筐体を採用しているため、浸水や強風の影響を受けにくいとしている。