freeeは3月9日、新たに子会社として透明書店を設立し、書店経営を開始すると発表した。2023年4月下旬を目途に、東京都台東区の蔵前に書店の出店を予定している。書店の経営は全て透明書店が担い、子会社を通じてfreeeが自らスモール・ビジネスを経営していくという。
書店の減少が世界的に危惧され続けているというが、アメリカに加えて日本国内でも過去5年間の独立系書店出店数は増加し続けているといい、書店業界においてスモール・ビジネスの活躍が広がっていると同社は言う。
一方、書店ではいまだに紙やFAXで業務が行われており、デジタル化の余地が大きいという。テクノロジーを駆使することで業務を改善し、業務改善によって生まれた時間でより注力すべき業務に取り組むことができれば、業界発展の可能性は広がっていくと同社は推測する。
同社はこれまで、出版レーベル「freee出版」を通じ、スモール・ビジネスに携わる人たちが自由に自然体で経営できるような役立つ情報や知見を、出版を通じて発信してきたとのこと。今後は、より多様な手段でスモール・ビジネスの魅力と可能性を伝えていくとしている。
新書店の店名は「透明書店」とし、その名の通り全てを透明にしていくという。
月々の売上など経営状況から、「従業員を増やした」「備品のための経費が足りない」「棚の向きを変えた」といった日々の施策や出来事まで、包み隠さずクリアに伝えていくとのこと。
freee自らがスモール・ビジネスを経営すること、またfreeeの社員が実際にバックオフィス業務を経験することで、スモール・ビジネスの実情とそれに取り組むユーザーを理解すると共に、そこで得た体験を自社サービスへ反映するという。
加えて、書店経営の失敗談や成功体験など経営にまつわる情報を、スモール・ビジネスの関係者にすべて伝えていくとしている。また今回、新書店をテクノロジーの実験場として活用するという。
既に提供しているfreeeのサービスを利用に加えて、未発表の同社サービスやChatGPTなどのAI(人工知能)技術も利用し、デジタル化の余地が大きい書店運営にどのような変化を生み出すことができるのか、その過程も情報発信していくとのこと。
今後、子会社設立から開店まで、また開店後の「透明な情報」を、freee公式noteで伝えていく予定だ。