ユビキタスAIは3月7日、組込み機器やIoTデバイスなどで、通信プロトコル「QUIC」を活用するためのソフトウェアライブラリ「Ubiquitous QUIC」の提供を開始した。IoT製品向け組込みソフトウェアのオールインワンパッケージ「Ubiquitous RTOS IoT Enabler」に通信ミドルウェアコンポーネントとして梱包したQUIC対応版の提供も開始する。
「QUIC」は、ネットワーク高速化を目指しGoogleによって設計された通信プロトコルでChromeウェブブラウザの通信用プロトコルから標準化され、活用が進んでいる。汎用のトランスポート層の通信プロトコルで、TCPに替わる高速通信としてUDP(User Datagram Protocol)ベースに開発されており、IETF(The Internet Engineering Task Force:インターネット技術特別調査委員会)によりHTTPの新プロトコル「HTTP/3」のトランスポートレイヤプロトコルとして標準化。2つのエンドポイント間の多重化接続に対応し、接続確立時間の最適化、IPアドレスやポート番号など通信経路変更に対応したネットワーク接続維持機能、TLS1.3での暗号化、先行するコネクションの処理待ち回避などの機能を持っている。
同社では、AWSがCDNサービス「Amazon CloudFront」でQUICに対応したことで、今後各種AWSサービスにIoTデバイスを接続する「AWS IoT Core」での利用が進むと予想しており、QUICプロトコル単体のライブラリ版「Ubiquitous QUIC」、「AWS IoT Core」クライアント向けソフトウェアとしてQUIC対応版「Ubiquitous RTOS IoT Enabler」の提供を開始。「Ubiquitous RTOS IoT Enabler」は、リアルタイムOS「TOPPERS-Pro」をベースに開発されたIoT製品向け組込みソフトウェアのオールインワンパッケージで、「TOPPERS-Pro」の各種機能ほか、TCP/IPスタックベースの「Ubiquitous Network Framework」、TLS 1.3対応のネットワークセキュリティ「Ubiquitous TLS」などを提供する。