ロームは3月3日、GaNデバイスの高速スイッチング性能を最大限引き出すことが可能な高速駆動制御IC技術を開発したことを発表した。
GaNデバイスは高速スイッチングという特性を有しているが、その駆動を指示する役割を担う制御IC側も高速化が求められていた。こうした課題を受け、独自技術である超高速パルス制御技術「Nano Pulse Control」を進化させることで、制御パルス幅を従来の9nsから2nsへと向上することに成功。48V系、24V系のアプリケーションを中心に高電圧から低電圧への降圧変換を1つの電源ICで構成可能となるため、GaNデバイスと組み合わせた高周波スイッチングにおける駆動周辺部品の小型化が可能となり、同技術を搭載したDC-DCコントローラICと同社のGaNデバイス「EcoGaN」を使用した電源回路と一般品で構成した場合を比較すると86%の実装面積削減を実現するという。
すでに同社では同技術を用いた制御ICの製品化を進めており、2023年後半に100V入力1ch DC-DCコントローラとしてサンプル出荷を開始する予定だとしており、EcoGaNと組み合わせることで、基地局やデータセンター、FA機器、ドローンなどのアプリケーションにおける省エネ化や小型化に貢献したいとしている。