西松建設は3月3日、企業の事業活動で排出されるCO2(Scope1)削減への取り組みとして、ディーゼルエンジン向け水素アシスト技術「D-HAT(Diesel Hydrogen Assist Technology)」を一般の建設機械に活用する実証実験を開始することを発表した 。

「D-HAT」とは、米国スタートアップ企業であるHOD Tec社によって開発された水素アシスト技術。装置のタンクに積みこんだ水の電気分解によって水素を生成し、エンジンの吸気口(エアインテーク)から燃焼室に水素を送り込み 、燃料と混焼させることで、燃費の向上だけでなくエンジン寿命の大幅な延長を可能にするもの。

  • ディーゼル向け水素アシスト技術「D-HAT」

実証試験は、アクティオと、D-HAT輸入販売元であるエントランスフォーメーションと共同で実施される。同実証ではディーゼル発電機を対象とし、建設現場等で通常利用される汎用製品に後付けでD-HATを接続し、燃焼効率の向上を確認するという。

負荷試験による燃費の確認のほか、排出ガス測定により排出ガス基準項目(CO、非メタン炭化水素、NOX、PM、ディーゼル黒煙)とCO2の排出量を測定し、ディーゼルエンジンの燃焼効率を定量的に評価する。さらに、エンジン内部のカーボンスラッジなどの堆積物を低減し、エンジンや排気システムの長寿命化、排気再循環バルブの交換などのメンテナンス頻度・コストの削減が期待されるという。

今回の実証試験では、現場利用を想定した一定期間のランニング試験を行い、経時での燃費の推移の他に、発電機のメンテナンス性の向上についても確認する予定。

  • ディーゼル発電機ディーゼル発電機による実証試験による実証実験

実証試験の結果からD-HATの有効性が確認された後は、同社の土木・建築現場で使用される発電機への展開を予定しており、ディーゼルエンジンを動力とする他の建設機械への展開(実証・現場導入)についても進めていきたい考え。