Samsung Electronicsの半導体メモリ事業が2023年2月の単月業績として2兆ウォンの営業赤字を計上する可能性があると、韓国の中央日報が報じている

2022年後半から続く半導体メモリの市況悪化を受け、2023年1月および2月ですでに3兆ウォンの営業赤字を計上したものと推定され、20年ぶりの最悪の赤字となることが懸念されると同紙では指摘している。複数の業界関係者の間からは、「2023年第1四半期(1-3月期)にメモリ事業だけで最大4兆ウォンの損失が出るという報告があったと聞いている」といった声もでているという。

ファウンドリ事業は利益を出している模様だが、その規模場まだ小さく、メモリ事業の大規模な赤字をカバーできるほどではないため、同社の半導体(DS)部門は2023年第1四半期に2兆ウォン以上の営業損失を計上する模様だという。また、半導体メモリが売り上げの大半を占めるSK hynixはSamsung以上に厳しい状況に置かれるものとみられている。

加えて、米国政府がSamsungとSK hynixの中国内メモリ生産・投資に対する規制強化を行うという観測も出ており、状況は最悪に向かっていると考えている業界関係者もいるという。

Samsungは中国の西安でNANDの40%を、SK hynixはDRAMの50%、NANDの20%を生産しているが、米バイデン政権が2月28日に発表したCHIPS法に基づく補助金申請の受付要件には、補助金を受けた日から10年間にわたって、中国での半導体製造能力増加に向けた投資を事実上禁止するガードレール条項が明記されている。そのため、SK hynixはともかく、Samsungは米テキサス州テイラーにファウンドリファブの建設を進めており、それに対して補助金を申請するということは、中国西安のNAND工場への投資を10年間にわたって止めることとなることから、Smasungは申請を躊躇せざるを得ないとの見立てが韓国半導体関係者の間では広がっている模様である。