KDDIとKDDIエンジニアリングは3月2日、衛星ブロードバンドサービス「Starlink(スターリンク)」をバックホール回線として利用する車載型基地局と可搬型基地局の提供を開始すると発表した。これにより、災害時においても高速かつ低遅延なau通信の提供を目指すとしている。

  • 左:Starlinkをバックホール回線として利用した車載型基地局 右:可搬型基地局

    左:Starlinkをバックホール回線として利用した車載型基地局 右:可搬型基地局

スペースXが開発したStarlinkは、高度約500キロメートルほどの低軌道上を周回する数千個の通信衛星を用いる衛星コンステレーション。静止軌道上の衛星を用いる場合と比較して地表からの距離が約65分の1に近づくため、高速かつ低遅延な通信が可能だ。

今回提供を開始する基地局もStarlinkの特徴を有しており、高速かつ低遅延なau通信の提供が可能とのことだ。地震や台風といった災害発生時の情報収集などに、SNS(Social Networking Service)を活用できるようになる。

自然災害が発生した際に圏外地域に対して基地局を迅速に展開することで、通信を速やかに復旧し生活者や復旧作業に携わる作業者の安心安全な環境作りを支援するという。同サービスで扱う基地局は衛星通信機材をStarlinkの機材に変更して小型化と軽量化を図っている。従来の可搬型基地局の衛星通信機材と比較して大きさは約5分の2、重さは約7分の1。

  • 衛星通信機材を小型化している

    衛星通信機材を小型化している