ADEKAは2月24日、同社の韓国子会社「ADEKA KOREA」の研究開発センター「アデカコリア研究開発センター」を、これまでの水原市からSamsung Electronicsの半導体研究開発部門のある華城市に移転させる計画を発表した。
新たな研究開発センターは、13億円を投じ、延べ床面積を従来比7倍、クリーンルーム面積を同2倍に拡張するという。すでに建設を開始しており、開設は2023年8月を予定している。
ADEKAでは、先端半導体の技術革新をビジネスチャンスと捉え、技術進化の早い半導体電子材料分野で顧客と同じスピードでの開発を可能とするべく、最先端の評価設備と技術を保有するとともに顧客への提案力や市場ニーズへの対応力を強化するとしている。
ADEKAでは、グループの半導体材料の研究開発体制として、引き続き尾久中央開発研究所(東京都)にて新規半導体材料の開発を進め、アデカコリア研究開発センターには、最先端の半導体成膜材料の評価・分析の専門機能を持たせるとしているほか、さらなる開発機能強化に向け、新拠点では、ALD成膜・評価装置を増設し、2030年までに成膜・評価装置と人員を倍増させる計画としている。
ADEKAグループでは、情報・電子化学品事業について、同社の中期経営計画「ADX 2023」の最終年度である2023年度に、売上高470億円、営業利益145億円を目指すとしている。
なお、近年、台湾や韓国の先端半導体企業の要請を受け、日本を含む国外の半導体製造装置・材料メーカーが、製造部門やサービス部門だけではなく、研究開発部門も現地に設置するケースが増えてきている。さらなる微細化を実現するためには複雑なプロセスを可能とする次世代半導体製造技術の開発が必要であり、そのためには半導体デバイスメーカーと装置・材料メーカーが一体となって開発する必要性が高まっているためである。