名古屋大学(名大)は2月28日、北海道にある同大学 宇宙地球環境研究所(ISEE) 陸別観測所において、磁気嵐に伴う弱い低緯度オーロラを観測したことを発表した。なお、同成果は名大 ISEEの西谷望准教授らによるもの。
研究チームによると今回のオーロラは、前日の27日から続いていた磁気嵐に伴って発生したものだという。このオーロラの最大の明るさは、酸素原子の発光輝線である波長630nmの赤い光で約300レイリー(R、明るさの単位)、波長557.7nmの緑の光では約500Rだった。
波長630nmの赤い光を肉眼で捉えるには、個人差はあるものの数kR程度の明るさは必要だ。それに対し、今回のオーロラは300Rと肉眼では見えない明るさであり、大気光(通常50~100R程度の明るさ)の増光である可能性もあったという。しかし、磁気嵐が発達している時間帯に北の地平線近くでしか見えていないという特徴は、これまで北海道で観測された低緯度オーロラのものと一致しているとのことだ。また、街の照明などといった背景光ではないことも、波長別の撮影で確認されている。
なお、今回の観測は魚眼レンズ付きの高感度全天カメラ、磁力計、固定型フォトメータを用いて行われた。