日立コンサルティングは2月28日、ESG(環境、社会、企業統治)に配慮した経営の早期立ち上げと持続的な企業価値向上を目指すユーザー企業の支援を目的として、「ESG経営支援コンサルティングサービス」を提供開始した。
新サービスは、ESG経営の戦略・目標策定からデータの収集・可視化、モニタリングしながら現場改善に生かす仕組みづくりまで、アジャイル方式とテクノロジー施策の活用で支援する。ESG経営の早期立ち上げと継続的な強化、改善プロセスの定着化をユーザー企業と共に進めることで、企業価値向上につなげる考えだ。
同サービスの特徴として同社は、1)アジャイル方式によるESG経営の早期立ち上げおよび、2)テクノロジー施策の活用によるESG観点での継続的な経営強化・事業運営の改善の2点を挙げる。
アジャイル方式によるESG経営の早期立ち上げに関して同社は、ESG経営には情報の収集・開示の定常的な運用が欠かせないとしながらも、エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)や地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)、企業に対するサステナビリティ情報開示指令(CSRD)といった法規、SASB(サステナビリティ会計基準審査会)やGRI(Global Reporting Initiative)などが定めた開示基準など、則るべき多くの法規・基準があると指摘する。
また、対象領域が多岐にわたるESG情報を全社・全領域で足並みをそろえて開示する場合は、膨大なコストと時間も掛かるという。
同社は、ユーザー企業の特徴や現状を踏まえてマテリアリティを明確にした上で、具体的な戦略・目標および開示する情報の優先度をスピーディに策定し、短周期で仮説検証を繰り返しながら適応領域を拡大していく。こうしたアジャイル方式で迅速な戦略・目標設定と継続的なデータ収集・可視化を推進し、ユーザー企業の要望に寄り添いながら、ESG経営の早期立ち上げを支援していく。
なお、データの収集・可視化には、日立製作所の「ESGマネジメントサポートサービス」などESG経営情報のマネジメント・ソリューションを利用する。
ESG観点での継続的な経営強化・事業運営の改善に関して、ESG経営では、継続的に蓄積するデータを分析し、さらに外部環境の変化を捉えて戦略・目標の達成状況をモニタリングしながら、目標の軌道修正や次の目標設定、改善施策の立案・実行が求められると同社は指摘する。
同社は今後、ユーザー企業が具体的に実行可能かつ有効なアクションを提示し、企業の改善プロセス遂行と定着化を支援していくとしている。