NTTドコモは2月27日、世界の通信事業者へのオープンRANの導入支援を強化するため、新ブランド「OREX」を発足したと発表した。

無線基地局の仕様をオープンかつ標準化することにより、さまざまな通信機器ベンダーの装置やシステムとの相互接続を可能とするオープンRANへの関心が世界的に高まっている。しかし、これまで単一の通信機器ベンダーの装置で通信ネットワークを構築してきた海外通信事業者にとっては、オープンRANを実際に導入するための技術的知見や検証環境の整備などに課題が存在している。

ドコモが現在、オープンRANの導入を支援する海外通信事業者は5社を超えた。韓国のKT、フィリピンのSmart Communications(Smart)、英のVodafone Group(ボーダフォン)、アメリカのDISH Wireless(DISH)、そしてシンガポールのSingtelの5社だ。

KTとはオープンRANの推進に向けた基本合意書を2022年1月に締結し、検証を実施中。SmartとはフィリピンにおいてオープンRANの検証を進めている。ボーダフォンとは2022年10月にオープン RAN の推進に向けた協力に合意、DISHとはドコモが提供するオープンRANの検証環境である「シェアドオープンラボ」において、同社の装置を使用した性能と安定性の評価を今後実施していく。Singtelとは今後技術評価およびオープンRAN導入に向けた検討を進めている段階だ。

ドコモはオープンRANの早期普及に向けて、今後もOREXをはじめとした世界中のパートナーとの連携を強化し、活発なエコシステムの創出につなげていく考えだ。