GlobalFoundries(GF)が発表した2022年通期業績によると、売上高は前年比23%増の81億800万ドル、2022年第4四半期の売上高は前年同期比14%増の21億100万ドルとなったという。
同社が決算発表の際に最近の事業ハイライトとして挙げたのは以下の3点。
- GFとGeneral Motors(GM)が長期契約を締結:ニューヨーク州北部のGFのファブにてGMの米国サプライチェーン向けに半導体を製造することで合意。これは経済安全保障の見地から米国製車両の半導体を米国内で製造し、重要な技術を米国内の留めるという米国政府の方針に沿った契約であり、半導体生産の国内生産を奨励する「CHIPS法」などの支援政策の一環だとしている。またGFが、この種の長期供給契約を自動車メーカーと結ぶのは初めてであり、この契約に基づき、電動化が進む自動車における電力供給のために必要な独自チップの数を減らすというGMの戦略をサポートし、最終顧客(自動車の購入者)にとって価値の高いコンテンツ作成が最大化されることが期待されるとしている。
- GFがルネサス エレクトロニクスの技術であるコンダクティブ・ブリッジング・ランダム・アクセス・メモリ(CBRAM)テクノロジを取得:CBRAMテクノロジは、家庭用および産業用IoT、スマートモバイルデバイスなどのアプリケーション向けに設計された低電力メモリソリューションで、この協業により、GFのメモリポートフォリオが強化され、他のテクノロジノードに簡単に統合できる組み込み不揮発性メモリソリューションのロードマップが拡張されることとなる。CBRAMは、低消費電力、高い読み取り/書き込み速度、製造コストの削減、および過酷な環境への耐性により、消費者、医療、および一部の産業用アプリケーションに適しているとされ、GFでは、2020年に同技術を有していた英Dialog Semiconductorとライセンス契約を締結し、NVMオプションとして提供してきた(Dialogは2021年にルネサスが買収)。現在、CBRAMはGFの22FDXプラットフォームで認定されており、今後、ほかのプラットフォームに拡張する計画があるという。
- 2022年12月31日付で、ニューヨーク州イーストフィッシュキル 300mmファブのonsemiへの売却を完了:最終的な売却価格は4億600万ドルとなり、この取引により、GFは成長を促進する差別化された技術への投資に集中できるようになったとしている。
このほかGFでは2月16日付で、OSAT大手の米Amkor Technologyと戦略的パートナーシップを結んだことも発表している。このパートナーシップにより、GFの米国ファブでの半導体生産から、ポルトガルのポルトにあるAmkorの後工程工場でのOSATサービスまで、米国・欧州をまたぐ包括的サプライチェーンが可能になったという。GFは、300mmバンプ・ソート(後工程)ラインを 自社の独ドレスデン工場からAmkorのポルトガル工場に移管し、欧州での最初の大規模な後工程施設を設立する予定としている。GFは、Amkorに譲渡したツール、プロセス、およびIPの所有権をポルトでも保持し、両者はポルトガルでの将来の後工程分野の開発についても協力する予定であるとしている。
このパートナーシップを通じて両者は、アジア以外では初となる高度なパッケージング半導体サプライチェーンが構築されこととなり、主要な最終市場向けの欧州半導体サプライチェーンの自律性を高めることにつながることが期待されるとしている。