TSMCが、欧州での工場建設計画を2025年以降まで見合わせる模様だと、台湾メディアの經濟日報が台湾の中央通訊社による情報として2月20日付けで報じている。
それによると2023年1月時点の報道では、独ドレスデンにて2024年に新工場建設に着手するとみられていたが、車載用半導体の深刻な供給不足は峠を越えたものとみなされ、当面は、台湾や中国にある既存工場や建設中の米アリゾナ工場や日本の熊本工場(JASM)にて車載半導体は対応可能と判断した模様だという。
先行してInfineon Technologiesが先週、ドレスデンに50億ユーロを投じて車載用パワー半導体/アナログ半導体の新工場建設に着手したことを発表したことが影響している可能性もある。
TSMCの魏哲家社長兼CEOは、2023年1月12日に開催した業績説明会で、現地の顧客やパートナーと欧州での工場建設の可能性を検討していると説明しており、早ければ2024年より28/22nmプロセスでの車載半導体工場建設に着手するものと見られていた。今回の報道に対し、TSMCでは、その1月12日のCEOが語った「工場建設の可能性を検討している」という回答がすべてであり、市場の噂にはコメントしないとしている。