キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は2月17日、DX(デジタル・トランスフォーメーション)によるユーザー企業との共創と自社の変革を加速させるため、グループの約1万4000人を対象に日本イノベーション融合学会の「DX検定」および「DXビジネス検定」の受検を開始したと発表した。

  • キヤノンMJグループの人的資本についての考え方

同社グループは、人材を人的資本と捉え、積極的な投資を実施しているという。2025年ビジョンとして掲げる「社会・お客さまの課題をICTと人の力で解決するプロフェッショナルな企業グループ」の実現に向け、社会やユーザー企業の抱える多様な課題を解決する存在として提供価値を高めるために、人材の高度化、特にデジタル人材育成に注力しているとのこと。

検定受検と併せて、学習ツールとしてe-ラーニング教材を提供し、DXの事例やビジネスモデル、先端IT技術を学ぶ機会としているという。

グループ社員のDXへの知見を高めることで、事業部門ではユーザー企業のDX推進を支援する提案力の一層の強化を、本社・企画部門では経営スピード向上や新たなビジネスモデルの構想力強化、生産性の向上を図るとしている。

全グループを挙げて社会とユーザー企業への提供価値を高めていくことを目的としているとのことだ。

  • 人材戦略ロードマップ

同社グループは人材の高度化に向け、リーダーの育成強化、社員のスキル向上、外部人材の積極登用を行っているという。

特に社員のスキル向上については、これまでもITパスポートの一斉受験、データリテラシーe-ラーニング教育、IT基礎資格取得支援など全社的なIT分野の基礎教育を実施してきたとのこと。

こうした全社横断基礎教育と共に、部門別専門教育や職種別選抜研修を行い、プロフェッショナルな企業グループへの変革を進めているとしている。

2022年の同社グループにおける総研修時間は年間約60万時間、社員1人当たり年間約37時間となっており、今後も教育体制を拡充していくという。また、人的投資の一環として2023年4月に特別昇給を実施する。

これは、昨今の急激な物価高への対応として社員が安心して生活を続けられる基盤を整備するためのものであり、併せて社会的な人材不足の中で優秀な人材の獲得・定着につなげるための施策としている。