TSMCは2月14日、取締役会を開催し、同社の2022年通年の事業報告を承認したことを発表した。これにより、同社の2022年の売上高は2兆2638億9000万NTドル、純利益は1兆165億3000万NTドルであることが最終確定したことになる。
ざっくり1NTドルを4.4円の為替レート(2023年2月17日段階のレート)で計算すると、同社の売上高は約9兆9600億円となり、調査会社による半導体ランキングでトップを争うSamsung ElectronicsやIntelを抜くこととなるが、TSMCはファウンドリであり、売り先のほとんどが半導体メーカーとなるため、そうしたランキングに載ることがほとんどないことに注意が必要である。
また、同取締役会では、約69億5950万ドルの資本投資が承認されており、これらの資金は新たなファブ建設やファブ製造設備の購入設置、専門技術能力の確保などに使用されるという。さらに、TSMC Arizonaに対する35億ドルの資本投入も承認された。TSMCは2022年12月、米アリゾナ州で建設中の4nmファブに加えて、新たに3nmファブも建設することを明らかにし、投資額を400億ドルに拡大していたが、今回承認された35億ドルはその一環となるものだとみられる。
このほか、2023年の従業員への業績賞与総額として1214億4000万NTドルの分配も承認されている。2022年に同社の純利益を過去最高に押し上げた勤勉さを評価し、同社の従業員に業績に応じて支給するとしているが、2022年末時点の台湾の従業員6万5000人を基準にすると、単純計算で従業員1人当たり平均で約187万NTドル(約823万円)を受け取る見込みとなる。