物事を先延ばしにすることと怠けること、一見同じように見えるが同じではないという。では、やらなければならないのにすぐに手をつけないのはどうしてなのか?CNNが「Laziness isn’t why you procrastinate. This is」という記事で、専門家の分析を紹介している。
今日もTO DOリストが全て終わらなかったーーこの日までに提出しなければならないと分かっていても、直前にならなければ着手しない。やらなければならないと分かっているのに別のことをやってしまう。誰もが一度や二度は経験があるだろう。常習という人、おそらく自分のことを「怠けている」と思っているかもしれない。
しかし、学習障害を抱える子供を支援するLittle Thinkers Centerのエグゼクティブディレクター、Jenny Yip氏はそうではないという。怠けるとは「そのことについて考える気が全くしない状態」であり、後回しにすることは「このことを考えるのは面倒」と思っているから。面倒だからこの仕事が捗らない。このように、怠けると先延ばしは違う、というのがYip氏の意見だ。
先延ばしは診断がおりるような病気ではない。しかし、仕事で遅れる(=信用を失くす、パフォーマンスが下がる)、自分の目標を達成できない、買い物などの用事がこなせない・あるいは不完全、といったように、仕事や生活で支障が出ることもある。記事によると、3500人以上の大学生を対象に1月に行った調査によると、うつ、不安、ストレス、睡眠不足、運動不足、孤独、経済的に困難を抱えていることと関係が見られたとのことだ。
なぜ先延ばしにするのかを理解することが先延ばしの癖から脱出する方法だ、というのは、心理学者Linda Sapadin氏。著書「How to Beat Procrastination in the Digital Age」で、アドバイスしている。
先延ばしのタイプとして、Sapadin氏は「完璧主義者」「夢想家」「心配性」「反抗者」があると分析している。自分はどのタイプか、そして先延ばしを克服できるために何をすべきか。
以下がタイプ別のアドバイスだ。
完璧主義者と心配性の人
なんでも完璧にこなそうというその真面目さが、かえって逆効果になっているようだ。簡単にできないようなタスクに対して、「完了できる計画がなければ迷ってしまう」のが完璧主義者だ、とYip氏。
心配性は優柔不断で、何かに取り掛かる前に他の人にアドバイスをもらって心理的安心を得ようとする傾向が強いという。また、変化に対する抵抗力が強いという特徴もあるそうだ。
完璧主義者も心配性も、失敗や批判を恐れているために着手を先延ばしにしている可能性がある、と英ケンブリッジ大学の研究者Itamar Shatz氏。完璧主義者は、自分の基準が現実的ではないことを認識し、自分が設けている高い基準を、多少の失敗は許されるような低い基準に代えるといいだろうとアドバイスしている。どのぐらいの時間でタスクをするのかの制限時間を設け、それを守る。また制限時間内に終わらなくてもあきらめない。
夢想家