Sansanは2月16日、同社が運営するインボイス管理サービス「Bill One」が実施した「電子帳簿保存法に関する実態調査」の結果を発表した。電子帳簿保存法に対応した大手企業のうち6割以上がメリットを感じている一方、中小・中堅企業では約6割がデメリットを感じていた。
このレポートは、請求書を取り扱う業務を担当する全国のビジネスパーソン1000名を対象に2023年1月25日~2月3日の期間、オンライン上でアンケート調査を実施した結果に基づく。
請求書関連業務に携わる1000名のうち、電子帳簿保存法に「対応している」と答えたのは49.2%で「対応していない」が39.7%、「分からない」が11.1%。従業員規模別でみると、大手企業は「対応している」が76.0%である一方、中小企業は「対応している」が37.6%と、従業員規模によって対応状況に大きな差があった。
電子帳簿保存法に対応した企業に、対応による変化をたずねると、大手企業はメリットの方が大きいという回答が62.2%に対し、中小・中堅企業ではデメリットを感じている人の方がやや多い結果となった。
メリットの方が大きいと答えた大手企業に具体的な理由を聞くと、1位は「勤務先で書類のペーパーレス化が進んだ」、2位は「請求書を処理する時間が減った」、3位は「請求書を探すのが容易になった」となり、電子帳簿保存法への対応はペーパーレス化や業務効率化の推進につながっていることがわかった。
中小・中堅企業の中から、電子帳簿保存法に対応したサービスを導入せず自社のみで対応した人に、メリットとデメリットのどちらが大きいかを聞いたところ、中小企業が64.2%、中堅企業は77.8%がデメリットの方が大きいと感じており、自社で対応した場合にはよりデメリットを感じていることがうかがえる結果となった。
デメリットを感じている理由は、1位が「業務フローが複雑になった」、2位が「請求書を処理する時間が増えた」、3位は「対応方法の策定や社内周知の策定が大変だった」となった。自社で対応する場合は業務フローを再構築する必要があり、それに伴うさまざまな課題が生じていることがわかった。
今後、対応方法を見直す企業も出てくることが考えられ、電子帳簿保存法への対応と業務効率化を同時に実現できるサービスの需要はより一層高まると同社はみている。