Dynabookは2月13日、自社のPC製造工場で稼働中の画像認識AI技術を利用して作業不適合品の検出を行う「AI不適合品検査システム」を2023年4月より製造業向けに提供開始することを発表した。
2019年に同社のPC製造工場で稼働を開始した同システムは、設計担当と製造技術担当が常に連携し、機能拡張やUI変更により生産部門の困り事を解決する作り込みを行い、製造品質を担保しながら生産効率アップを行うシステムとして活用されているという。
今回、製造業向けに提供を開始する同システムでは、ディープラーニングで作成したモデルをエッジPCへ搭載し、確認対象を撮影することで設定した基準をもとに自動判定を行う。同社での実績では、約100点の確認を行う場合、作業者が目視で行う場合と比較して約半分の時間で自動判定を行っているという。
判定後の確認対象は良品を緑枠、不適合部分を赤枠で表示し、検査対象リストにカーソルを持っていくと対象が拡大表示するという。これにより、作業者スキルに頼っていた確認作業を自動化でき、確認作業者の負荷を軽減するとしている。
また、同社工場では、画像認識AIを利用した作業品質改善ソリューションとして、「AI不適合品検査システム」のほかに、作業者動作検知による後戻り作業を削減する「AI作業者動作検知システム」も稼働している。ディープラーニングで作成したモデルと作業手順をエッジPCへ搭載し、作業者の手と部品を動画撮影することで作業ミスをリアルタイムで検知し、管理者へ通知するという。同システムについても、準備ができ次第アナウンスするということだ。