東芝エネルギーシステムズは2月9日、2023年2月11日に桐蔭学園、東急、東急電鉄、横浜市の4者が東急田園都市線・青葉台駅正面口改札前自由通路にて実施するペロブスカイト太陽電池の先行実証実験向けに、大面積のフィルム型ペロブスカイト太陽電池を実験資材として提供することを発表した。

ペロブスカイト太陽電池は塗布や印刷技術で量産できる色素増感太陽電池の1種。変換効率は太陽電池の主流であるシリコン結晶系と比べて低いものの、低コストで大面積に生産可能であり、軽量かつ曲げにも強いことから、壁面などにも取り付けできるといった特徴がある。

今回、提供されるペロブスカイト太陽電池もフィルム型で、独自のメニスカス塗布法を用いて作製したものとなる。同社では、同法を用いたフィルム型ペロブスカイト太陽電池(面積703cm2)においては、400cm2以上の大面積太陽電池としては世界最高クラスのエネルギー変換効率16.6%を達成したものもあるという。

今回の実験では、地域住民が日常的に利用する青葉台駅正面口改札前自由通路において、同電池の特長である屋内の光の下での発電実証実験を行い、同電池の性能を確認し、各者の保有する資産(既存建物、駅、車両、高架橋など)への同電池の設置など将来の活用方法の検討に活かすとしている。

  • フィルム型ペロブスカイト太陽電池のイメージ図

    フィルム型ペロブスカイト太陽電池のイメージ図 (出所:東芝)