Axiosは2月9日(現地時間)、「Exclusive: Yahoo to lay off more than 20% of staff as it shrinks ad biz」において、米Yahooが全従業員の20%以上をレイオフする計画と伝えた。この人員削減はアドテク部門の大規模な縮小の一環であり、同部門の従業員の50%にあたる1600人以上が影響を受けるという。Yahooは過去に多くのアドテク企業の買収を実施してきたが、この数年間はそれに見合うだけの成果を上げられていなかった。
Axiosによると、2月9日の時点で計画の約12%に当たる約1,000人のレイオフが実施されており、残りの約8%のレイオフは2023年下半期に行われる見込みだという。またこの計画の一環として、SSP(サプライ・サイド・プラットフォーム)の一部やネイティブ広告プラットフォームのGeminiなどが閉鎖される予定と伝えられている。
SSPは、媒体に対して配信する広告の選択を自動化することで、広告枠販売の効率化や収益の最大化を図るシステムである。その一方でYahooでは、広告主が複数の媒体から自動で広告枠を購入できるようにするDSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)事業は、今後数カ月で雇用を強化する計画だという。
Geminiは、YahooのパートナーネットワークのWebサイトにおいてネイティブ広告を掲載するプラットフォームである。YahooではGeminiを閉鎖する代わりに、2022年12月にアドテク企業の米Taboolaと締結パートナーシップを活用し、独自のコンテンツでネイティブ広告を販売する計画を立ち上げる。
このレイオフによってYahooのアドテク事業は大幅に縮小されることになるが、同社がアドテクビジネスから完全に撤退するわけではないようだ。これらの計画は、不調が続いていた自社のSSP事業やネイティブアドテク事業への依存を解消し、収益性の高いビジネスへの投資を強化する戦略の一環であると説明されている。
なお、米Yahooは現在はApollo Global Managementの子会社となっており、ソフトバンクが所有する日本のヤフーとの資本関係はない。