凸版印刷は2月9日、マーケティングにおける顧客行動予測の一連のAI(Artificial Intelligence:人工知能)運用サイクルを自動化するシステムを開発したことを発表した。各企業の分析担当者により手作業で行われていた、ローデータの連携からデータの前処理、顧客行動学習、予測(AIスコアリング)、予測結果の連携まで、一連の運用サイクルを自動化する。
また、このシステムを利用して、AIスコアリングエンジン「KAIDEL」をリニューアルしたという。KAIDELは2017年から同社が提供しているデータ分析サービスで、「プロモーション反応予測」「優良化予測」「離反予測」など顧客の将来の見込み度を予測する。リニューアルにより、各企業に合わせたAI導入設計から自動運用までをフルパッケージで支援する。
リニューアルしたKAIDELを活用することで、マーケティングの精度および成果の向上や、コスト削減、業務効率化が見込めるという。これまで費用対効果やリソース不足などが課題となり、単発で終わる場合が多かったAIを活用したマーケティングプロジェクトの継続的な運用を支援するとしている。
KAIDELでは、現状の保有データ整理やAI取り組みテーマ策定、AI構築、運用の自動化まで、凸版印刷のマーケターおよびアナリスト、エンジニアが専門チームを編成して支援する。AIモデル精度の推移や精度低下の監視なども行う。
また、状況に応じて、後からでもDMP(Data Management Platform)や、CDP(Customer Data Platform)、BI(Business Intelligence)ツール、MA(Marketing Automation)ツールなど、各種デジタルマーケティングツールと連携し、機能を拡張可能とのことだ。
AI利用およびAI運用費は月額80万円から、AI自動連携システム構築費は500万円から。AIの精度を検証したい企業向けには別途トライアルサービスも提供する。