インターネットイニシアティブ(IIJ)が2月8日に発表した2022年4~12月の連結業績(国際会計基準)は純利益が前年同期比12%増の129億円だった。同社の主力サービスであるネットワークサービス事業が好調だった。多拠点WANなどの大型ネットワーク更改案件や多種多様なセキュリティサービスなどが増収を牽引した。
売上収益は12%増の1853億円、営業利益は15%増の188億円だった。SI(システムインテグレーション)事業やモバイル事業も増収増益を後押しした。
ネットワークサービスに関しては、法人向けおよび個人向けインターネット接続サービスに加えて、自社開発の多種多様なネットワークサービス群を提供を開始するアウトソーシング事業が好調だった。同事業の売上収益は15%増の344億円だった。また直近で大手製造業向けの複数年で確定している大型ネットワークの更改案件を獲得しており、引き続き堅調な成長が見込まれるという。
SIの売上収益に関しては、構築(一時売上)が23%増の299億円、運用保守(ストック売上)が15%増の505億円だった。放送局向けの次期情報ネットワーク基盤構築やデータセンター構築など直近で数十億円規模の大型案件を順次獲得しているとのこと。
モバイルサービスに目を向けてみると、法人モバイル事業が右肩上がりで成長を続けている。売上収益は前年同期から6億円増加し82億円となり、回線数も前年同期から19万回線増え169万回線にまで成長した。既存サービスである見守りGPSトラッカーの追加発注や、デジタル庁からのモバイル案件などで回線数が増加している。
また2023年3月期の売上収益は11%増の2500億円、純利益は12%増の175億円を見込む。それぞれ従来予想から据え置いた。8日の決算説明会に登壇した代表取締役社長兼Co-CEO&COOの勝栄二郎氏は「企業のデジタル化の進展に伴い各事業が好調を維持できている。特にネットワークとSI事業は案件が大型化しており、来期以降の売上を加速していくことにつながるだろう」と語っていた。