家庭での天ぷらから料亭での天ぷらまで、同じ"天ぷら"でも食感は千差万別。サクッとした歯ごたえとアツアツに揚がる旬のネタのハーモニーが膨らむ日本の代表的な食文化のひとつだが、長い歴史を経た天ぷらにAIが切り込む。AIサービスを提供するエクサウィザーズとロイヤルホストや天丼てんやなどを展開するロイヤルホールディングスは2月8日、AIを活用した顧客体験創造に向け協業を発表した。天ぷら調理AIの開発に向けた取り組みを開始する。

  • (ロイヤルホールディングス資料より)

"形状"や"適切な揚げタイミング"の判定を可能にする調理AIの開発では、センサーや取得すべきデータ形式を定義、温度計や指向性マイク、HDカメラなどを使いデータ収集基盤を構築。その後、マルチモーダルデータと複数のアルゴリズムを用いて、理想的な天ぷらに寄与度の高い因子を特定し、AIに学習させるというステップを予定している。

エクサウィザーズではAIとロボットを用いた制御を提供するプラットフォーム「exaBase」を展開しており、ミシュラン2つ星シェフの技能を再現するパンケーキ盛り付けAIロボットを開発するなど熟練技能者のスキル可視化にも取り組んでいる。天丼てんやをはじめ、気軽に食せる外食の天ぷらが更に美味しくなるのであれば、楽しみもひとつ増えそうだ。