NEC、ケニア中央医学研究所および長崎大学熱帯医学研究所は2月7日、新生児用の指紋認証と保護者の声認証を組み合わせることで本人確認を行い、ワクチン接種の履歴と計画を管理するシステムを開発したと発表した。
同システムにより、保護者と新生児それぞれに適した生体認証技術によって本人確認が可能だ。また、生後24か月までに接種が推奨されるワクチンとその適切なスケジュールを登録することで、接種履歴を記録するとともに、適切なタイミングで次の接種を保護者に働きかけることができる。
2022年9月から同システムを用いてケニアの病院にて実証試験が実施され、300名以上の保護者と新生児のデータを登録し、150名以上の新生児に対してワクチン接種履歴を登録した。
今後、ケニア内で対象の病院を拡大し、システム利用上の課題を検証・改善しながら2023年3月まで実証試験を行う予定だ。
同システムでは、本人と子供の名前を名乗る程度の時間で保護者の声認証が可能なため、出産直後でも負担を最小限に抑えられるという。
また、新生児の本人確認では、従来型の指紋認証を用いるのではなく、指紋画像から紋様情報のみを抽出し、複数指の紋様情報の組み合わせで本人確認を行う技術を開発し、システムに実装している。