KPMGコンサルティングは2月6日、営業部門や顧客サポート部門などのフロントオフィスのDX推進を目的に、プライバシーリスク対応も踏まえたデジタルマーケティングの戦略策定から実行までを支援する「FODX(Front Office Digital Transformation)推進支援サービス」の提供を開始した。

同社によれば、多くの日本企業の営業部門やカスタマーサポート部門などのフロントオフィスにおいては、バックオフィスに比べてDXが進んでいないのが実情で、個人情報保護などプライバシーへの配慮がますます強化され、日々変化する顧客行動を捉えながら自社の優良顧客像を定義しアプローチすることが困難になるなか、デジタルマーケティング戦略策定をはじめとしたDX推進の手法を模索している企業が多いという。

そこで同社はフロントオフィス部門のDXを推進する独自の方法論「FODX」を編み出し、消費者のライフスタイル・価値観の多様化や企業の社会課題への責任増大などの社会動向の変化に対応した、デジタルマーケティングの戦略策定から実行までを支援するFODX推進支援サービスの提供を開始したという。

このサービスでは、次世代マーケティング戦略立案、マーケティングオペレーションの標準モデルの定義、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)による自社顧客情報の統合管理、データクリーンルームの活用、MA(マーケティングオートメーション)の導入・活用促進、マーケティング人材育成・ケイパビリティ高度化を行う。

次世代マーケティング戦略立案では、高いLTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)をもたらす優良顧客を定義し、アナログ・デジタルチャネルを統合した一貫性のあるカスタマージャーニーを設計。

  • FODXの実現に向けたステップ別の支援内容

マーケティングオペレーションの標準モデルの定義では、戦略に基づく施策の実行から効果検証まで、OODAループ(ウーダループ:観察、状況判断、意思決定、実行)を実現するために、継続性のあるプロセスと、それを支える組織機能、人材要件を定義。

CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)による自社顧客情報の統合管理では、誰が・いつ・どのような顧客情報を使うべきかを整理し、自社内の各部門・各システムに散在している顧客情報をCDPに統合し、適時・適切に顧客情報を流通させる環境を構築。

データクリーンルームの活用では、個人情報保護に配慮したセカンドパーティの顧客データを活用するデータクリーンルームを用いた分析手法を導入。

MA(マーケティングオートメーション)の導入・活用促進では、目指すオペレーションの標準モデルに適合するMAツール・システムを導入し、販促施策を実行。

マーケティング人材育成・ケイパビリティ高度化では、次世代のマーケティング戦略を理解し、新たなオペレーティングモデルを実行することができる人材を育成し、より高度なマーケティング手法にも対応できるようにケイパビリティを向上させるという。