アライドテレシスは2月3日、SDN(Software Defined Networking)ソリューションの新製品として、ネットワーク管理にAIやML(機械学習)を活用した「AMF Plus」の提供を発表した。同日には製品の特徴や活用例を紹介する記者発表会が開催された。
AMF Plusは、既存のネットワーク統合管理ソリューション「AMF」をベースにしたもので、同社独自のAI/MLによりネットワーク上のデータを自動収集・分類・活用するための機能を提供する。
同社が提供するスイッチや無線LANなどハードウェアに「AMF Plus Master License」をインストールし、ネットワーク統合管理ソリューション「Vista Manager EX」と組み合わせることで同ソリューションを利用できる。
提供価格はネットワークのスケールにより異なる。10台のハードウェアを監視する構成の場合でファームウェアの導入価格(税抜)が27万円で、Vista Manager EXの導入価格(税抜)が60~100万円となる。
同ソリューションでは、ネットワークに接続しているデバイスであれば管理対象として認識し、データを収集することが可能だ。説明会では、医療現場での活用例として、「無線LANを搭載している医療機器の傾きデータから異常値を発見し、ナースコールに転送することで患者のアクシデントの監視に役立てる」といった使い方が紹介された。
また、IT機器の障害の予兆管理にも活用可能だ。例えば、サーバのCPUに高負荷状態が続いたり、メモリの未開放が継続したりするなどの情報を全体の統計として集積しておき、故障などの障害が発生する前に、それらの情報を故障前の予兆として管理者に通知するような運用に利用できる。
2023年4月には同社製品だけでなく、ネットワーク内のサードパーティ機器を自動検出・管理するための機能を追加提供する予定だ。これにより、複数ベンダーのIT機器の予兆管理が可能になるという。
アライドテレシス 上級執行役員 Global Product Marketing本部 本部長の佐藤誠一郎氏は、「従来、単一システムに閉じていたデータや、これまでは見向きもしていなかった情報を意味のあるデータのかたまりとしてマッチングすることで、新たな付加価値やサービスを生み出せると考える」と述べた。
説明会では、ネットワーク管理をダッシュボード上で直感的に行える新機能として「Smart ACL」と「Intent-Based QoS」が紹介された。
Smart ACLはACL(Access Control List)の設定を簡便化する機能で、設定対象となるネットワークとポリシーをマトリックス表で表示し、該当する項目をクリックすることでアクセス制御のポリシーを設定できる。
Intent-Based QoSでは、QoS(Quality of Service)の設定を簡便化する機能で、デフォルトのQoS設定を取り込むことで、ネットワーク全体のQoSを8つの仮想QoSとして表示する。通信のトラフィックなどからパフォーマンスが低下している機器を発見したら、コマンドでなくGUIベースでQoSキューの調整が可能だ。
同社は2028年までに、自社製品を提供している顧客に対する新ソリューションの導入率を60%とすべく、今後販売を拡大させる方針だ。