Samsung Electronicsは1月31日、2022年第4四半期の半導体事業の業績を発表した。それによると売上高は前年同期比24%減の20兆700億ウォン、営業利益は同97%減の2700億ウォンにとどまった。世界的な景気後退の影響で、半導体メモリの在庫が増加し、価格低下の影響で利益を減少させた。

この影響で、2022年のSamsung全部門の売上高合計は前年比8%増の302兆2300億ウォンと初の300兆ウォン超えを達成したが、営業利益は同16%減の43兆3800億ウォンにとどまった。

半導体事業は、メモリ部門のブレーキに加え、システムLSI部門も、在庫調整の影響から減益となったとする一方、ファウンドリ部門は、先端プロセスの生産能力拡大と顧客基盤ならびにアプリケーション領域の多様化により、四半期売上高で過去最高を更新したほか、利益も前年同期を上回ったという。

2022年の半導体設備投資は48兆ウォン

同社全体の2022年の設備投資額は、半導体47.9兆ウォン、ディスプレイ2.5兆ウォンを含めた総額53.1兆ウォン。第4四半期のみの設備投資は20.2兆ウォンで、半導体18.8兆ウォン、ディスプレイ0.4兆ウォンとしている。特にメモリは、中長期的なビット供給に備えた平澤キャンパスのP3、P4のインフラやEUV露光装置が中心。ファウンドリへの投資は、平澤キャンパスでの先端プロセス生産能力の拡大、および3nmの初期生産能力と米テキサス州テイラーのインフラ構築が中心となったという。

2023年のメモリ事業は高付加価値品で勝負

同社は2023年第1四半期のメモリ事業の戦略として、顧客の在庫調整姿勢は変わらず、短期的な需要回復は期待できないとしつつも、LPDDR5xなどのハイエンド製品の需要に対応していくほか、増加するサーバおよびPC向けDDR5の需要にタイムリーに対応することで、悪影響を最小限に抑えるつもりとしている。

また、システムLSI事業についても需要低迷や在庫調整の影響が当面続く見通しとしており、低価格から中価格帯のボリュームゾーンに向けたスマホ用SoCと200MPイメージセンサの販売拡大に努めるとしているほか、2022年第4四半期に欧州のプレミアムOEM向けに予定通りサンプル出荷を開始した車載SoCの追加注文などを通じて、成長の勢いを維持するとしている。

そしてファウンドリ事業は、2022年第4四半期においてGAA(Gate-All-Around)プロセスが3nmの第1世代プロセスが安定歩留まりで量産されるようになり、その経験を基に、第2世代プロセスの開発が進められているとするほか、車載プロセス向けでは5nmの量産に続き、4nmの開発に着手したとしている。

2023年第1四半期については、ファウンドリ需要の低迷により稼働率が低下、収益も減少すると予想しているが、下半期にはHPCや自動車分野を中心に市場の需要が回復するとの見方を示しており、2nmプロセスの開発にも注力していくほか、特殊プロセスの開発も進めていくとしている。

このほか、同社ではHPCおよびモバイル市場における次世代パッケージ技術の重要性が高まっていることを考慮して、デバイスソリューション(DS)部門内にアドバンストパッケージ(AVP)ビジネスチームを設立し、メモリ・システムLSI・ファウンドリビジネスユニット間のシナジーを強化するとしている。