NTT ドコモは1月30日、YKK APと進める電波品質の改善と高断熱化を両立する住宅やオフィスの実現に向けた実験検証の取り組みの一環として、エアロゲル素材を用いた“電波の窓”の実証実験を開始すると発表した。
近年、住宅やオフィスの高断熱化に伴い、性能の高い断熱材や窓ガラスの多層化・Low-Eの普及が進んでいることから、携帯電話のデータ通信などで用いられる高周波の電波が屋内へ入りにくくなっているという。
“電波の窓”は、住宅やオフィスの天井や壁などの住宅パネルを部分的に切り取り、そこへ電波が通りやすい素材を埋め込む電波を通すための構造で、こうした課題を解決する一助となる可能性がある。
実証実験では、高性能断熱材として知られるエアロゲル素材を用いた“電波の窓”を試作し、電波透過特性を確認する。エアロゲルは空気に近い誘電率であるといわれており、電波を通しやすい素材であることが想定され、高い断熱性能と併せて“電波の窓”の有望な素材と考えられるという。
両社同実験を通し、電波品質の改善と高断熱化を両立する住宅やオフィスの実現を目指し、“電波の窓”の素材や形状、構造などの検討をさらに進める予定。