ダークWebをご存じだろうか。われわれが通常、Webブラウザを使ってアクセスしているサーフェスWebと異なり、ダークWebは検索エンジンによりインデックス化されていないため、検索では探し当てることができず、アクセスするには特定のソフトが必要とされている。
そのため、匿名性が確保されていることから、サイバー犯罪者が個人情報の取引などの違法行為を働く際、ダークWebを利用していると言われている。
アバストが公式ブログ「What's on the dark web in 2023?」において、ダークWebについて説明しているので、ダークWebの危険性、アクセス方法などを紹介しよう。
ダークWebとディープWebの違い
ダークWebとよく比較される概念に「ディープWeb」がある。「ディープWeb」は検索エンジンによってインデックス化されていないインターネットの一部だ。深層Webは必ずしも悪質なものではないが、一般人が簡単にアクセスできるわけでもないという。
例えば、オンラインの銀行口座、電子メール アカウント、パスワードで保護されたサイトはディープWebの一部だ。
一方、ダークWebは意図的に隠されているディープWebのごく一部であり、 Tor Browserなどの特別なソフトウェアを介してのみアクセスできる。
ダークWebでは、麻薬密売、違法な銃器の販売、 ハッキング サービスなどの違法行為が多く行われているが、すべてが違法というわけではないそうだ。
例えば、ジャーナリストや活動家は政府の監視を逃れるために、ダークWebでコミュニケーションや情報共有を行ってきた。
ダークWebに安全にアクセスする方法
ダークWebに安全にアクセスするには、まず、信頼できる安全なVPNに接続することが重要となる。これは、IP アドレスを確実に隠し、インターネット接続を暗号化できるようにするためだという。
VPNに接続したら、Tor Browser などの特別なソフトウェアをダウンロードしてインストールする。このブラウザは、サーバのネットワークを介してインターネット接続をルーティングするため、活動を追跡することが困難になる。Tor Browser をインストールしたら、特定の.onionアドレスを入力すると、ダーク Web上のWebサイトにアクセス可能になる。
オニオンURL とも呼ばれるダークWebアドレスは、「.com」や「.org」ではなく「.onion」で終わるため、通常のWebサイトのアドレス (URL) とは異なる。
ダーク Web アドレスを見つける方法としては、「ダークWebディレクトリ」「SNS」「紹介」が挙げられている。
ダークWebにアクセスすることは合法か?
Avastは、「ダークWebは、違法行為の温床、サイバー犯罪者の天国であり、安全な場所ではない」と警告している。安全な場所ではありません。ダーク Webでは誰と取引しているのかを知るのが難しいため、詐欺の被害に遭いやすくなっている。
こうしたことから、「ダークWeb上のすべてのアクティビティが違法であるわけではなく、ダーク Webにアクセスすることも違法ではない。しかし、安全な場所ではなく、特定の目的や注意なしにアクセスすることはオススメしない」と、Avastは注意を呼び掛けている。
実のところ、法執行機関はダークWebを積極的に監視して、犯罪行為に関与している者を特定して起訴しているそうだ。