半導体製造装置メーカー大手のLam Researchは1月25日、2023会計年度第2四半期(2022年10~12月)の決算業績を発表した。
それによると、売上高は前四半期比4%増の52億7800万ドルとなったほか、純利益も同微増となったが、2023会計年度第3四半期(2023年1~3月)のガイダンスは、半導体市場の需要低迷、ならびに米国による対中半導体規制の強化などの影響により、同約28%減の38億ドル前後にとどまるとしている。そのため、同社では2023年中は業績が低迷することが予測されることから、従業員の7%にあたる1300人を2023年3月末までに解雇する計画を公表した。
2022年10月に米国政府は対中半導体製造装置輸出規制の強化を行ったが、一部外国資本の中国半導体工場に限っては期限付き輸出許可のライセンスが発行されたこともあり、Lam Researchも2023会計年度第2四半期の地域・国別売上高シェアで、中国がトップの24%となっており、次いで韓国20%、台湾19%、日本11%、米国10%、東南アジア10%となっている。
同社は、「2023年は半導体製造装置に対する投資が減少することが予想されるが、研究開発への投資は維持しながら、コスト構造を改善し、グローバルに効率化を進めるための積極的な手段をとっていく」との方針を示している。今後、米国政府が、対中半導体装置輸出規制をさらに強化すれば、最大市場である中国での商機を失う機会が増え、業績悪化に伴うレイオフが製造装置各社で行わる可能性がでてきたと言える。そのため、米国の業界団体では、米商務省に対し、これ以上の規制強化によって、米国企業の業績を損なわぬように再度働きかけを行う模様である。