Cohesity Japanは1月25日、データ管理とデータセキュリティ機能を提供するSaaS「Cohesity Cloud Services」(CCS)をAmazon Web Services (AWS) の東京リージョンでサービス提供開始すると発表した。

Cohesity Cloud Servicesは、データのバックアップ、分類、隔離、セキュリティ、脅威情報の入手、復旧の機能を提供し、すべて単一のマルチクラウドプラットフォームを通じて行われる。

CCSではBackup as a Serviceである「Cohesity DataProtect」と、データ隔離&復旧サービス「Cohesity FortKnox」の2つのサービスが提供される。

  • Cohesity Cloud Servicesで提供される2つのサービス

CCSを購入する方法は3つあり、従来からあるCohesityの代理店から購入する方法、AWS マーケットプレイスのコンサルティングパートナーから購入する方法、AWS マーケットプレイスから直接購入し、自社で構築運用する方法だという。

  • CCSの販売形態

「Cohesity DataProtect」は、Cohesityが管理するソリューションで、クラウドネイティブのデータ、SaaSのデータ、オンプレミスのデータをクラウドにバックアップし保護できる BaaS(Backup as a Service)サービス。オンプレミスソリューションと同様、Microsoft 365、Amazon Elastic Compute Cloud (AmazonEC2)、Amazon Relational Database Service (Amazon RDS)、Amazon S3 のデータ、Salesforce (SFDC) やその他クラウドプロバイダーのさまざまなクラウドワークロードをサポートし、セキュリティ保護を提供する。さらに、仮想マシン (VM)、ネットワーク接続ストレージ (NAS)、データベースなどのオンプレミスのデータソースもサポートする。

そのほか、AIによるランサムェア検知機能も備える。

  • バックアップ対象のワークロード

「Cohesity DataProtect」の価格は、年間ライセンス契約で1Tバイトあたり1200 USドルになるという。

もう1つの「Cohesity FortKnox」は、ランサムウェアなどのサイバー攻撃の影響を最小限に抑えるため SaaS型のバックアップのデータ隔離と復旧ソリューション。このサービスは、Cohesityが管理するクラウド保管庫にイミュータブルな (変更不可の) リードオンリーデータとして保存され、データコピーを隔離して保存する。バックアップデータに接続できる時間が限られており、仮想エアーギャップを設けたと同様の効果が得られるという。また、リカバリー時にはワークフローの要素が導入され、最低二人以上の承認がないとリカバリーできないようになっている(Quorumコントロール)。さらに、バックアップデータに対するランサムウェア検知機能を有する。

  • FortKnoxで実現するデータ隔離

  • FortKnoxの主な特長

Cohesity FortKnoxの価格は、年間ライセンス契約で1Tバイトあたり590 USドルになるという。

一昨年からCohesity Japanの代表取締役社長を務める伊藤俊明氏は日本の業績について、「日本法人は、お客様の数、売上が順調に伸びている。昨年からは、ランサムウェアに対する引き合いを多くいただいている。とくに医療機関が急増している。業績の伸びにあわせ、従来の関西拠点に加え、東北、北海道、名古屋、福岡にも拠点を開設し、地方のニーズにも応えられるようになっている」と順調さをアピール。

  • Cohesity Japan 代表取締役社長 伊藤俊明氏

そして、日本でのデータ管理の課題について指摘し、「データ管理の問題とランサムウェアの劇的な進化と増加には因果関係がある。データ管理ができていないことで、ランサムウェアの攻撃を受けやすくなっている。われわれの提案は、データ管理を集約していこうということだ。これは、物理的に集約するというわけではなく管理を一元化していこうということだ。そして、データを保存している領域を徹底的にセキュアにすることで、被害を最低限にできる」と、どの利用形態(IaaS、SaaS、プライベートクラウド)、どのロケーション(エッジ、データセンター、パブリッククラウド)でも、どの運用形態(自社管理、パートナー管理、Cohesity管理)でも1つのUIで一元管理できるという自社製品の優位点を強調した。

同社では、フォーカスセグメントとして、サービスプロバイダ、製造、金融、医療、流通、ネットを挙げている。

来日した米Cohesity CEO 兼 代表取締役社長のサンジェイ・プーネン氏は、「われわれにとっては、データ保護、データセキュリティ、データモビリティ、データアクセス、データインサイトの5つが常に中心になり、この5つにイノベーションを提供していく。他の競合の違いとしては、拡張性、シンプルさ、セキュリティという3つのエッセンスがある。セキュリティはわれわれにとって重要なビジョンだ。ストレージやバックアップを提供している会社との差別化要因はここにある。オンプレからクラウドへの移行を考えるユーザーにとって、われわれのソリューションはスイートスポットになっている」と述べた。

  • 米Cohesity CEO 兼 代表取締役社長のサンジェイ・プーネン氏