国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の宇宙飛行士、若田光一さん(59)が日本時間20日夜から21日未明にかけ、船外活動を行った。米国人女性飛行士とペアを組んでリーダー役となり、新型太陽電池パネルの取り付け準備作業を行った。日本人の船外活動は2021年9月の星出彰彦さん(54)に続き12回目。若田さんは飛行5回目のベテランにして、初の船外活動となった。
若田さんとニコール・マンさん(45)は減圧症予防の準備を経て、20日午後10時14分に船外活動を開始した。米航空宇宙局(NASA)は経年劣化した太陽電池パネルの出力を補うため、新型パネルを追加する作業を進めている。今回は主に、ISSに8セットある既存パネルのうち1つの根元に、新パネルを加えるための架台を取り付ける作業を進めた。星出さん、また21年3月に野口聡一さん(57)も、同様の作業を別のパネルで行っている。昨年11月に米国人飛行士が別のパネルで行った作業の残りも実施した。
活動は7時間21分に及び、21日午前5時35分に終了した。若田さんは船内に戻る際、日本語で「宇宙ステーションの一番端で仕事をしましたけども、その先に明るく輝いている月がとても印象的でした。私たちを新たな有人宇宙探査に導いてくれるように見えました」と話した。日本人の船外活動の累計時間の最長は、4回経験した星出さんの28時間17分。
若田さんは過去4回の飛行では(1)1996年、シャトルに日本人初の搭乗運用技術者として搭乗、(2)2000年、日本人として初めてISS建設に参加、(3)09年、日本人初のISS長期滞在を実施、(4)13~14年の長期滞在の後半約2カ月間、日本人初のISS船長に就任--し、数々の「日本人初」を成し遂げてきた。今回は昨年10月からISSに滞在中で、無重力を生かして高品質のタンパク質結晶を作る実験、線虫を使い動物の加齢による体の変化を調べる実験など、多彩な実験に関連する作業をこなしている。
関連記事 |