東日本電信電話(NTT東日本)、群馬大学、ユヤマ、ウルシステムズ、PHCは1月20日、群馬大学医学部附属病院にローカル5G(第5世代移動通信システム)環境を構築し、AI(Artificial Intelligence:人工知能)による薬剤自動認識装置を搭載した自立走行型ロボットを用いて、患者持参薬の確認および処方薬の配薬や服薬を確認する実証実験を開始することを発表した。
今回の実証実験は群馬大学医学部附属病院をフィールドとして実施する。医療インシデントの原因となっている薬剤の種類の増加に対応するため、AI技術を用いた薬剤鑑別の仕組みや、ロボットによる医療業務の代替によって、医療インシデントの低減や医療従事者の稼働削減を目指す。
医療機関での実証実験にあたって、人や特殊機器が多数行き交う上、遮蔽物が多く電波干渉の可能性が高い医療現場の環境に対応するため、分散アンテナ技術を採用する。カバレッジの広域化と干渉影響の低減が可能となる無線ネットワーク下で、医療機関内における効率的な課題解決を進めるという。
また、ロボットの安定制御および安定走行や、さまざまな種類の薬剤鑑別をおこなうために、上下2つのカメラから照明角度と露光時間を変えた複数枚の画像を撮影して、リアルタイムに解析サーバへ伝送しAIで解析する取り組みも行う。
さらに、退院後においても、病院とかかりつけ薬局の情報連携や、薬局における患者情報(既往歴やアレルギー歴)の参照、服薬確認といった、地域における一気通貫な薬剤トレーサビリティの仕組みの構築にも挑戦するとしている。