半導体基板向け自動搬送装置メーカーであるローツェが2023年2月期第3四半期(2022年9-11月)までの累計業績を発表した。
それによると、第1四半期から第3四半期までの合計売上高は前年同比53%増の713億8200万円。営業利益も同65%増の177億3900万円、経常利益は為替差益97億円を含み同123%増の266億5200万円、純利益は同126%増の196億6600万円と好調な結果となった。
製品別売上高割合では、半導体関連が86%、FPD関連が8%となっており、地域・国別では、中国が31%、米国25%、台湾18%、日本9%、韓国6%となっており、中国では地場の製造装置メーカーが台頭し、ローツェのEFEM(Equipment Front-End Module)を自社の装置に組み込むケースが増加しているという。また、米国の主要装置メーカーへのEFEM販売、台湾ファウンドリ向けウェハソーター、米半導体メモリメーカー向け窒素パージウェハストッカーの売り上げも伸びたという。
ウェハ表面金属汚染分析装置の買収を実施
またローツェは、ウェハ表面金属汚染分析装置を手掛けるイアスの完全子会社化を併せて発表した。2023年3月1日付で29億円で既存株主から議決権ベースで52%の株式を取得し、残りを株式交換で取得して完全子会社とする。最先端半導体のプロセス微細化が進む中、ウェハ搬送装置とウェハ表面金属汚染分析装置の開発・製造・販売で相乗効果を見込むとする。
2004年設立のイアスは、半導体製造の過程でシリコンウェハ表面に付着した金属汚染物質の測定をICP-MSで自動化する装置を手掛けている。ローツェにいる機械や電気系エンジニアと、イアスの化学分析のエンジニアの補完効果で新製品開発が見込めるという。