動画ストリーミング大手のNetflixは1月19日、共同創業者のRed Hastings氏が共同CEOを退任することを発表した。Hastings氏は会長に就任し、同氏とともに共同CEOを務めていたTed Sarandos氏は続投、COOのGreg Peters氏が共同CEOに就く。

  • Netflix CEOを退任し、会長に就任するRed Hastings氏

    Netflix CEOを退任し、会長に就任するRed Hastings氏

Hastings氏の共同CEO退任は、2022年第4四半期(2022年10~12月)の決算とともに発表された。この決算は、Netflixが2022年11月に広告を導入して以来、初となることから注目されていたが「営業利益と加入者数は事前の予想を上回った」と報告している。TVシリーズ「Wednesday」、ドキュメンタリー「Harry and Meghan」、映画「Glass Onion」などが人気だったという。

同期の売上高は前年同期比1.9%増の78億5200万ドル。純利益は5500万ドル、営業利益は5億5000万ドルと報告している。会員数は766万人増加し、2億3075万人となった。 Netflixの加入者数は2022年の第1、第2四半期に減少していたが、2四半期連続で増加となった。

同社は「2022年は厳しい年だったが、最後は明るく終えることができた」としており、人事では、Hastings氏が共同CEOを退任し、会長に就任することが発表された。

Hastings氏は1997年にNetflixを創業して以来、同社を率いてきた。当初はDVDを郵送でレンタルできるサービスとしてスタートし、その後は動画ストリーミングに事業を拡大した。

一時期は世界のインターネットトラフィックの15%を占めるなど、動画ストリーミングカテゴリを定着させ、2020年からはSarandos氏と共同CEO体制を組んだ。新たに共同CEOに就いたPeters氏がCOOになったのも、そのタイミングだった。

Hastings氏はブログで「(共同CEO体制となってから)2年半、Netflixの経営を彼らに任せてきた」としながら、「新型コロナや最近のビジネス上の課題は"火の洗礼"を受けたようなものだが、2人ともよくやってくれた。売り上げと利益の成長のための明確な道筋を作ることができた」と記している。今後は、共同CEO二人を支え、会長として取締役会と共同CEOの橋渡しをするという。