アイ・ティ・アール(ITR)は1月19日、国内のスレットインテリジェンスサービス市場規模推移および予測を発表した。
スレットインテリジェンスとは、「脅威インテリジェンス」とも呼ばれ、セキュリティの脅威について収集・分析した情報と、それにより得られる知見などの情報の総称を指す。
ITRの発表によると、スレットインテリジェンスサービス市場の2021年度の売上金額は38億4000万円、前年度比38.6%増だった。高度化・巧妙化するサイバー攻撃の情報収集と分析による攻撃の予兆となる情報を素早く把握し、脅威への対策を行うため、同サービスの利用企業が増加しているという。
なかでも、セキュリティ意識が高く、セキュリティ対策に積極的に取り組んでいるグローバル企業の多い製造業や金融業を中心に市場が拡大しており、2022年度も同39.6%増と高い成長率を見込んでいる。また、2021年度から2026年度にかけてのCAGRは18.8%と同社は予測している。
ITRのコンサルティング・フェローである藤俊満氏は、「ランサムウェア攻撃や標的型攻撃のような、より複雑な攻撃が登場してきたことで、広範囲な対策が必要になっているだけでなく、攻撃への対策が公表されるまで時間がかかるため、従来の脆弱性対策では防御できなくなってきている。そのため、ハッカー集団によるサイバー攻撃の動向や、未公表段階での脆弱性情報を提供するスレットインテリジェンスサービスのニーズが急拡大している」とコメントしている。