ProFutureの研究機関であるHR総研は、企業の人事責任者に対して実施した「若手人材の離職防止」に関する調査の結果を発表した。有効回答数は248件。

「若手人材の離職に対する課題感」について聞いた質問では、「課題感がある」27%、「やや課題感がある」36%を合わせて、63%が「課題感がある」と回答している。 また「課題感がない」「あまり課題感はない」を合わせて「課題感がない」と回答した人は17%にとどまった。

  • 若手人材の離職に対する課題感 引用:「若手人材の離職防止」に関する調査

また課題感の内容を企業別に聞くと、1000名以上の企業では「採用・教育コストの損失」「既存社員の負担の増加」に意見が集まった。一方で、300~1000名程度の企業と300名以下の企業では「次世代リーダー育成の停滞」、「既存社員のモチベーションの低下」に多く声が寄せられる結果となった。

  • 企業別 課題感の内容 引用:「若手人材の離職防止」に関する調査

実施している若手人材の離職防止を意識した取り組みを聞くと、「評価時の面談」が51%で最も高く、「サーベイ」「評価面談以外の定期的な面談(1on1)」「人事面談」と順に多い結果になった。「取り組んでいるものはない」との回答は15%だった。

  • 実施している若手人材の離職防止を意識した取り組み 引用:「若手人材の離職防止」に関する調査

HR総研 客員研究員の曽和利光氏は、リモートワークと離職の関係性について、「乗り越えるべき壁となっているのはリモートワークなどの多様な働き方のようだ。意外にも出社率が30%未満と低い企業のほうが離職率は低い。コミュニケーション密度を高めようと出社率を上げて、対面接触を高めようとするのは逆効果の可能性があるということか。つまり、コミュニケーション量が減りがちなリモートワークは継続しつつ、若手への求心力を高める施策が重要ということ」とコメントを寄せている。