情報処理推進機構(IPA: Information-technology Promotion Agency, Japan)は1月13日、「情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2022年第4四半期(10月~12月)]:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」において、同機構が開設している情報セキュリティ安心相談窓口に対する2022年第4四半期(10月~12月)の相談状況を公開した。

  • 情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2022年第4四半期(10月~12月)]:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

    情報セキュリティ安心相談窓口の相談状況[2022年第4四半期(10月~12月)]:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

全体の相談件数は2,397件で、前四半期(7月~9月)からは約6.0%増となった。前四半期も相談件数は増加しており、引き続きセキュリティに関する相談が多く寄せられている状況であることがわかる。

  • 情報セキュリティ安心相談窓口に寄せられた相談件数の推移 出典:IPA

    情報セキュリティ安心相談窓口に寄せられた相談件数の推移 出典:IPA

相談が寄せられたサイバー攻撃の主な手口ごとに相談件数が集計されている。相談件数の多い順に並べると以下のようになる。

  • ウイルス検出の偽警告(前四半期から約39.9%増の761件)
  • 宅配便業者・通信事業者をかたる偽SMS(約1.0%増の306件)
  • 不正ログイン(約31.9%増の62件)
  • ワンクリック請求(約25.8%増の39件)
  • 暗号資産(仮想通貨)で金銭を要求する迷惑メール(約55.6%減の28件)
  • Emotet(約48.0%減の13件)
  • Facebookのメッセンジャーに届く動画(前四半期の2件に対して1件)
  • iPhoneに突然表示される不審なカレンダー通知に関しては相談がなかった

前四半期から、ウイルス検出の偽警告および宅配便業者・通信事業者をかたる偽SMSに関する相談件数が増加傾向にあることがわかる。不正ログインおよびワンクリック請求に関しては相談件数が劇的に増えてはいないが減ってもおらず、これらのサイバー攻撃が継続して行われていることが見て取れる。

こうしたサイバー攻撃による被害を防ぐには、日頃から警戒を怠らず、「不審なSMSや通知は開かない」「知り合いからのメッセージだったとしても、Webサイトを開く前や個人情報を入力する前によく確認する」「不安がある場合は専門家や専門機関に相談する」などの行動を心掛けることが重要とされている。