富士通は1月17日、台湾交通部中央気象局において、スーパーコンピュータ(スパコン)「富岳」にも使用されているプロセッサ「FUJITSU Processor A64FX」を搭載したスパコン「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」を中核として構成した、第6世代数値気象予報スパコンシステムを構築したことを発表した。
熱帯・亜熱帯気候区にある台湾は、台風や豪雨などの気象災害のリスクを受けやすい地域の1つだ。今回構築されるシステムが稼働することにより、日々の気象予報業務に加え、高度気象観測の推進、気象災害の観測と予報能力の精度向上、長期気候変化の観測と分析などの強化が期待され、気象災害から台湾住民の安全を守るとともに経済損失を防ぐことに寄与するとしている。
また富士通は、台湾中央気象局が掲げる中期計画にある「スマート・高度気象業務」の推進を支えるシステム基盤として、同システムが多様化する気象業務に貢献するとしている。
同システムは2021年から3年間かけて段階的に納入が行われており、2022年6月からは部分的に稼働を開始している。完成は2023年12月が予定され、最終的なシステムの総理論演算性能は10PFlopsとなる見込み。同社によると、これを達成すれば総理論演算性能において台湾で最速のスパコンとなる予定だとする。
富士通は今後も、HPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング、高性能計算技術)の技術的知見や、気象業務全般に対するノウハウ、および気象業務運用を支える高い信頼性により、台湾中央気象局の気象予報業務を支えていくとした。