大規模な医療ビッグデータを保有し診療データベースの構築を手掛けるメディカル・データ・ビジョン(MDV)は1月16日、Web問診システム「Symview(シムビュー)」などを提供するレイヤードと資本業務提携したことを発表した。両社は患者の問診などに関するデータの活用を通じて、医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)を目指すとしている。
レイヤードはSymviewにより毎月100万件近い問診データを収集しているという。MDVはレイヤードの患者データに基づき、問診でどのような症状を訴えた患者がどの診療科を受診し、診療を経てどの薬剤を処方されたかなどを可視化する。これにより、患者が早期に適切な医療を受けられるようサポートするとのことだ。また、患者の受療行動や病院内の動線を把握できるので、効率的な業務フローを検討しやすくなり医療従事者の働き方改革への貢献も見込めるという。
一方のレイヤードはMDVの経営支援システム「MDV Act」などを導入する病院に対して、Symviewの普及を推進する予定。また、同社は診療所などのかかりつけ医と患者をつなぐ、慢性疾患患者のPRM(Patient Relationship Management:患者関係性管理)ツール「Kakarite(カカリテ)」も展開する。Kakariteでは各カルテにまたがる患者情報を統合し、網羅的に把握可能だ。今回の資本業務提携をきっかけに、MDVはレイヤードと共に医療ビッグデータを活用した患者の療養支援を検討するとしている。