東京商工リサーチは1月16日、国税庁の適格請求書発行事業者サイトの公表データを同社が独自に行った、2022年12月末のインボイス登録件数の調査結果を発表した。

2022年12月に閣議決定された「令和5年度税制改正大綱」で、申請期限の3月31日を過ぎても9月30日までの申請は制度開始の10月1日を登録開始日とするなど負担軽減の方針が示された。

法人と個人事業主の登録状況はそれぞれどうなっているのだろうか。

国税庁によると、インボイス登録事業者のうち、2022年12月末の登録数(人格のない社団等2,297件を除く)は198万7,348件だった。うち、法人の登録数は151万7,844件で、総務省「平成28年経済センサス」に基づく法人数は187万7,438件をベースに考えると、登録率は80.8%となったという。

都道府県別の登録数トップは東京都の27万9,252件だった。以降、大阪府の12万2,576件、愛知県の9万607件、神奈川県の9万38件、埼玉県の7万1,362件、北海道の6万5,002件、千葉県の5万6,350件、福岡県の5万4,956件と社数も多い大都市が上位に入った。

一方、登録数が最少だったのは鳥取県の5,841件。これに、高知県の7,107件、島根県の7,312件、佐賀県の7,433件、徳島県の8,520件と続いている。

個人事業主は12月に月間登録数の最多を更新し、12月末で累計46万9,504件が登録しているが、登録率は23.7%にとどまるという。インボイス制度に登録しない免税事業者もあり、法人に比べ登録率は低くなりがちだが、負担増や手続きの煩雑さなどを嫌い、登録に慎重な姿勢を続ける個人事業主が多いとみられると同社は分析している。

  • 法人の都道府県別インボイス登録率(2022年12月末時点) 資料:東京商工リサーチ