Google Chromeでは、一般公開されていない、Flagsという試験的な機能が提供されている。この機能を活用することで、Google Chromeを高速にしたり、操作性を向上したりすることができる。本稿では、高速化に役立つ試験的な機能を紹介しよう。
なお、Flagsは試験的な機能であるため、有効にすることで、データが失われたり、プライバシーが侵害されたりと、何らかの不具合が生じる可能性もある。あくまでも自己責任で利用する必要があることには注意されたい。
「Flags」の設定ページにアクセスする
「Flags」の設定ページは、Google Chromeのアドレスバーに「chrome://flags」と入力することでアクセスできる。
目的のFlagを有効にしたい時は、右側のボックスを「Enabled」に変更すればよい。
GPU rasterization
Google Chromeは画像やデータを処理する際、GPUにそれほど依存していないが、GPUを使用している場合は、処理の一部をGPU にオフロードすることで、処理を高速化できる。
ラスタライズとは、ChromeがWebサイトのデータをピクセルと具体的な情報に整理して目の前の画面に表示するために使用するプロセスを指す。「GPU rasterization」を「Enabled」に設定すると、GPUこのプロセスを実行するようになる。
Zero-copy rasterizer
Flagには、まだラスタライズに関する設定項目がある。「Zero-copy rasterizer」を有効にすると、GPUのメモリユニットであるVRAMで処理が行われるようになる。
この機能は端末が搭載しているRAMのサイズが小さい場合に加えて、モバイルデバイスでWebサイトを閲覧する際に役に立つ。
Parallel Downloading
「Parallel Downloading」を有効にすると、1つのファイルを分割してダウンロードできるようになる。サイズが大きなファイルをダウンロードする機会が多い人は、このFlagを有効にすると、ダウンロードにかかる時間を短縮することが可能になる。
このFlagはMac、Windows、Linux、ChromeOS、Androidで有効。
Smooth Scrolling
画像や広告がたくさんあるWebページなどで、スクロールが遅くてイライラした経験はないだろうか。そんな事態を回避する方法の一つとして、「Smooth Scrolling」というFlagを有効にすることがある。
「Smooth Scrolling」を有効にすると、Webページをスクロールする時にスムーズにアニメーション化が行われる。
ちなみに、Chromeの拡張機能にも、スクロールをスムーズにする「SmoothScroll」がある。
Experimental QUIC protocol
QUIC プロトコルは、Google開発中の接続プロトコル。UDPを用いて高速化しながらも、 TCPと比べて遅延と輻輳を減らすことを目的としている。
TCPの通信ではデータ交換の準備が整うまでに、サーバに複数回アクセスする必要がある。これに対し、QUICでは1回で接続を確立してデータ交換プロセスを開始して、ブラウジングとデータ交換の速度を向上させる。
これにより、QUICプロトコルを有効にすると、Chromeによるブラウジングのスピードを高速にすることが可能になる。