「第29回 半導体製造国際シンポジウム(ISSM2022)」が、SEMICON Japan 2022の協賛イベントとして開催された。
主催はIEEE、応用物理学会、SEMI、SEAJなどで、同会議の構成は、プラズマプロセスやドライエッチングに関連した2件のチュートリアル、車載半導体、3次元IC実装、デジタルツイン、ヘテロジニアス集積、IBMの半導体研究戦略、脱炭素化に関する6件の基調講演、FEOL/BEOLプロセスに関する4件の招待講演、公募による33件の一般講演、5件のポスター発表となっていたほか、学生によるAI技術コンテストも開催された。
最優秀論文賞はTELが受賞
最優秀論文(Best of Best Paper Award)には、東京エレクトロン(TEL)の「Noise Reduction in SEM Images using Deep Learning」が選ばれたほか、優秀論文賞が14件選ばれた。広島大学のHibiki Kato氏は、「Ultra-fast Etching of Photoresist by Reactive Atmospheric-pressure Micro-Thermal Plasma Jet」という発表で、優秀論文賞とともに学生論文賞(学生の最優秀発表)にも選ばれた。
学生向けAI技術コンテストで筑波大が上位独占
ISSM2022では、日本ディープラーニング協会(JDLA)の後援で、半導体製造装置分野における人工知能技術(AI)の発展を図ることを目的に、学生を対象とした「ISSM AI技術コンテスト 2022~半導体製造現場データのAI活用~」も実施された。
半導体製造現場では、他産業に先駆けて、プロセス・装置・生産性などの膨大なデータの収集・見える化・分析・活用が実施されてきた一方、近年のAI技術の革新は目覚ましいものがあり、そうしたAI人材の発掘、および参加者の優れた技術・アイデアから波及する学習・研究へのモチベーション向上を期待して、「製造現場データのAI活用アイデア」と「製造装置データによる特性予測のAIアルゴリズム」の2部門のコンテスト形式で実施された。
製造現場データのAI活用アイデアコンテスト部門では、1位から3位まで筑波大学のチームが獲得し、上位独占を果たした。
一方の製造装置データによる特性予測のAIアルゴリズムは、半導体製造工場の実データを用いた実践的な研究開発の裾野を広げることを目的としたもので、工場の製造装置から生成されるセンサデータを用いて製造結果を予測する学習モデルを作成し、その予測精度を競うというものとなっている。
こちらは教育現場でのコンペティション開催を支援するツール「Kaggle in Class」を使ったコンテストで、1位を、インドのUniversity Of Petroleum And Energy Studiesが、2位を九州大学大学院システム情報科学府が、3位を独University of Siegenがそれぞれ受賞。AIアルゴリズム開発分野での外国勢の強みがうかがえた。