デジタルがビジネスにも生活にも浸透する今、営業も変化に順応していく必要がある。「デジタルを取り入れることで、生産性が低いと言われる日本の営業が変わる」――そう力説するのは、ナレッジワークのCEO、麻野耕司氏だ。
11月17日に開催された「TECH+フォーラム マーケティング&セールステックfor Leaders Day 2022 Nov. 事業を前進させるBtoBマーケティング&セールステック活用」に登壇した同氏は、営業にデジタルを取り入れることの重要性と、具体的な取り入れ方を示した。
世界平均より低い日本の営業生産性
今、なぜ営業にデジタルを取り入れることが必要なのか。その理由として、麻野氏が最初に挙げるのが「日本の営業組織の生産性の低さ」だ。同氏は、マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査結果を示し、電気・機械、半導体、電子部品など全ての業種において日本の営業組織はグローバルの水準を下回っていると説明。そのような状況に陥った原因として、「効率性と戦略性の2つの問題がある」と分析する。
効率性の問題とは、引き継いだ顧客の情報を誰に聞けばいいか分からないなど、営業現場では属人的で非効率なプロセスが続けられていることだ。戦略性の問題は、勘や経験に基づいた戦略マネジメントがいまだに主流であること。同氏は「これらの解消なしに日本の営業生産性が上がることはない」とした上で、「デジタルはそれを解消する」と言う。
「営業をデジタル化することで、属人的で非効率な業務プロセスを再現性のある効率的なものに変えることができます。また、勘と経験ではなく、データに基づく戦略マネジメントに変えることもできるのです。日本企業はデジタル化で遅れをとっています。営業分野においてデジタルセールスを進めるということを、営業責任者、管理者、営業規格、現場の担当者一人一人が認識して、前に進めていく必要があります」(麻野氏)