YouTubeがショート動画サービス「YouTubeショート」でショート広告の提供を開始し、2023年2月1日からクリエイターとの広告収益分配を開始する。

YouTubeショートは、最大60秒の縦長のショート動画を配信するサービス。ショート・フィード上で動画をスワイプまたはスクロールしながら次々に視聴でき、ユーザーが自分の知らないクリエイターや面白いコンテンツを発見できる場になっている。

YouTubeは2020年9月にインドでショートの試験的な提供を開始し、2021年春に本格展開をスタート。クリエイターのショート動画の投稿を促すために、一昨年5月に1億ドルのファンドを立ち上げ、そこからショートのクリエイターに報酬を提供してきた。YouTubeパートナープログラムを通じたショート広告の収益分配は、ファンドからの報酬に代わってクリエイターがショート動画を収益化できる仕組みになる。

ショート広告は、ショート・フィードでショート動画の間に配信される。広告収益分配は、ショート広告の収益から音楽トラックを使用している動画の音楽ライセンスの費用を引いた額がクリエイタープールにまとめられ、総視聴回数に占めるクリエイターの動画の視聴回数に基づいた割り当てから45%がクリエイターに支払われる。広告なしの有料サブスクリプションサービス「YouTube Premium」についても、収益化を行っているショート動画のクリエイターに割り当てられたPremiumからの純収益の45%が支払われる。

パートナーが収益化の資格を得るには、YouTubeパートナープログラムで新たに用意される「ショート動画収益化モジュール」で「YouTubeショートフィードの広告とYouTube Premiumから収益を得るための規約」に同意する必要がある。2月1日より後に規約に同意した日から、同意したチャンネルのショート動画の視聴回数がショートの広告収益分配の対象になる。

なお、ショート広告の収益分配の開始に伴ってYouTubeパートナープログラム規定がアップデートされ、同プログラムで収益化を行っている全てのクリエイターが2023年7月10日までに新しい規定に同意しなければならない。期日までに同意しない場合、パートナープログラムからチャンネルが削除され、収益受け取り契約が解除されるので注意が必要だ。