IDC Japanは1月10日、国内企業のDevOps実践状況に関する調査結果を発表した。同調査は、国内企業484社のDevOpsに対して理解のあるIT組織(開発/運用)の責任者、管理者、担当者(リーダークラス)を対象として、DevOpsの実践状況、開発手法、開発プラットフォーム環境、採用技術など、国内企業におけるソフトウェア開発および運用についてのユーザー動向を調査したもの。

IDCでは、DevOpsを「企業がスピード、生産性、品質などのビジネス能力を高めることを目標とし、ビジネスを支えるソフトウェアの開発から運用までのプロセスを通して、開発やテスト、運用、ビジネスなどに関わる複数の組織や担当者が共同で取り組むこと」と定義。

発表によると、2022年の調査では59.3%の実践率となった。また、DevOpsの実践を計画、または評価、検討していると回答した企業は21.7%となり、今後も継続してDevOpsに取り組む企業は増加していくと同社はみている。

  • 国内企業におけるDevOpsの実践状況の推移 出典:IDC

    国内企業におけるDevOpsの実践状況の推移 出典:IDC

また本調査では、回答企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)進捗段階(DX定着化段階/DX導入段階/DX計画段階/DX未着手)別にDevOpsの実践状況を分析。DX定着化段階にある企業では、DevOpsの実践率が79.2%、DX導入段階にある企業では63.4%と、DXが進行している企業ほどDevOpsの実践率が高い傾向が見られた。

IDC Japan ソフトウェア&サービスのリサーチマネージャーである木村伸一氏は、「国内企業におけるDevOpsの実践率は上昇し続けているが、DevOpsを実践する企業の増加に比例してビジネス上の効果が得られている企業が増えているわけではない。DevOpsの取り組みをビジネス成果につなげている企業は、DevOpsの実践を継続すると共に組織内でその実践規模を拡大、浸透させている」と述べている。