東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)とKDDIは1月10日、JR目黒MARCビルにおいて、防犯カメラの映像データをAI(Artificial Intelligence:人工知能)で分析し、配送ロボットが自動で混雑回避や回遊販売を行うフードデリバリーサービスの実証実験を1月11日から開始すると発表した。

この実証は、JR東日本とKDDIが取り組む「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」のまちづくりをコアとして、場所や時間にとらわれない働き方やくらし方を創出する「空間自在プロジェクト」の一環として実施するという。

  • 都市OSとロボットプラットフォームの連携する概要図

    都市OSとロボットプラットフォームを連携する概要図

具体的には、都市OSでビルに設置された防犯カメラの画像をAI解析してロボットに人の密集度を伝えることで、最適なルートでロボットが移動ができるかを、配送サービスを用いて検証する。さらには、JR東日本グループの商業施設と連携したフードサービスと、ロボットによる商品を時間通りに届けるサービスを組み合わせ、新しい食提供サービスの実現も目指すとのことだ。

  • 実証実験のイメージ

    実証実験のイメージ

実証ではJR目黒MARCビル内で勤務するオフィスワーカー向けに、事前に注文した弁当を時間通りにオフィスフロアまで配送するサービスを提供する。都市OSがAI画像解析により人の密集度を算出しロボットプラットフォームと連携することで、適切なルートをロボットに指示するとのこと。

  • ロボットが走行する様子

    ロボットが走行する様子

その他、JR品川駅のエキナカ商業施設「エキュート品川」で販売しているお菓子や軽食を、ビル内のラウンジやロビー、フロアなど人の多い場所に移動して回遊販売するサービスについても試験的に開始する。この場合は、販売機会を逃さないよう人の密集度が高いルートの走行を指示する。

ビルに設置している防犯カメラなど、都市や街の設備が持つデータを収集して分析するデータ連動基盤としての都市OSと、ロボットの位置情報管理や走行の制御および設備との連携を行うロボットプラットフォームを連携させることで、これまでロボット単独では困難だった高度なサービスの実現や、利用者の需要に柔軟に対応できる環境の構築を目指すとしている。

  • メーカーが異なる複数ロボットの協調制御にも取り組む

    メーカーが異なる複数ロボットの協調制御にも取り組む