SEMIは2022年12月開催の「SEMICON Japan 2022」に際し、2022年の半導体製造装置市場が前年比5.9%増の1085億ドルとなり過去最高を更新する一方、2023年については、同16%減となる見込みであると発表したが、その予測の背景となるデータ、つまり半導体製造装置の売り込み先である半導体市場について、世界の主要市場調査会社(WSTS含む)の予測データを収集・分析した結果を、SEMICON Japan 2022併催の半導体マーケットフォーラム2022にて発表した。

2022年の半導体市場に関しては、年初は市場調査会社各社は、同11%増~4%増、平均同8%増との予想を示していたが、2021年からの好調が継続し続けたため、4月には平均同12%増へと上方修正した。しかし、その後、世界的なインフレによる物価高、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、中国のゼロコロナ政策によるロックダウンなどが重なり、スマートフォン(スマホ)やPCなどの民生機器需要が低迷、下半期には急激なメモリ価格の下落が起こり、秋には同3~6%増、平均同4%増へと下方修正されていた。

  • 主要市場調査会社ごとの2022年の半導体市場の前年比成長率予測

    主要市場調査会社ごとの2022年の半導体市場の前年比成長率予測 (出所:SEMI)

一方、2023年の半導体市場に関しては、2022年初頭では、平均同2%増と予測されていたものが2022年秋に、平均同7%減へと下方修正されている。英Future Horizonは同22%減と最も厳しい予測するも、英OMDIAは、前年並みという予測を示している。この2社を除く他の4社は5%前後のマイナス成長を予測している。

前年比でマイナス成長となるのは2019年以来4年ぶりとなる。2022年後半に急速に陥った景気減速はいまだに底を打っておらず、2023年前半は半導体需要が低迷する見込みであるが、後半は5G・IoT化の進展やそれに伴うデータセンターの能力拡張、自動車の電動化・高性能化、再生エネルギー投資などの潜在需要の顕在化により半導体需要は回復するという希望的観測が主流を占めている。しかし、長引くウクライナ侵攻、新型コロナの感染拡大、世界的インフレなどの先行き不透明感は根強く、市場を予想しがたいものにしている。そのため、状況次第では、予想の下方修正もありうる。

  • 主要市場調査会社ごとの2023年の半導体市場の前年比成長率予測

    主要市場調査会社ごとの2023年の半導体市場の前年比成長率予測 (出所:SEMI)