2023年の年頭にあたり、TIS 代表取締役社長の岡本安史氏は年頭所感として、以下を発表した。

2023年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶申し上げます。

昨年は、新型コロナウイルス感染症防止に注視しながらも、人や社会が動き出した1年でした。しかし、その動きはアフターコロナ・ウィズコロナという言葉に代表されるように、コロナ禍前の状況に完全に戻ることはなく、働き方や社会、人々の価値観が変わってきていると考えています。

TISインテックグループは、この新しい社会環境において、我々のもつITの強みを活かして事業を通した様々な社会課題の解決に取り組んでいます。特に、注力する4つの社会課題、「金融包摂」「健康問題」「都市への集中・地方の衰退」「低・脱炭素化」では、多くのチャレンジをしています。

「金融包摂」では、国際ブランドプリペイド決済サービスを提供するULTRA社をグループに迎え、「Embedded Finance」や、本年4月に解禁される「給与デジタルマネー払い」を見据えたペイロールカードの提供などの準備を開始しています。

「健康問題」の領域では、ヘルスケアプラットフォームを展開し、生活者の健康増進から病気の予防や治療、介護にわたるさまざまなライフステージを支える仕組みづくりに取り組んでいます。また、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の「大阪ヘルスケアパビリオン」にも協賛し、「未来のヘルスケア体験」や「ミライの医療」などの展示をITでサポートすることで、社会の健康推進に貢献していきます。

「都市への集中・地方の衰退」では、会津若松市などで決済やヘルスケア分野でのデータ活用によるスマートシティ化を支援しています。また、高齢化社会や人材不足などの解決策の一つとして、サービスロボットの活用を提案し、さまざまな企業や自治体と実証実験を行ってきました。商業施設でのサービスロボットの本番運用が始まるなど、ロボット活用はビジネスフェーズに入ってきていると考えています。

「低・脱炭素化」の実現には、脱炭素ソリューション「Carbony」の提供など、あらゆる企業や生活者の脱炭素化に向けたITサービスを提供しています。また、当社グループ自身も、事業活動に伴う温室効果ガス排出量の削減に取り組み、2040年度までに当社グループ自らの温室効果ガス排出量のカーボンニュートラルと、2050年度までにバリューチェーン全体の温室効果ガス排出量のネットゼロの実現を目指す「カーボンニュートラル宣言」を行いました。

これらの取り組みは、我々だけでなく、様々なお客様やパートナーとの共創として、あらゆる場所・場面で未来の景色に鮮やかな彩りをつけるチャレンジの成果であるとも考えています。

また、本年は人材の強化にもこれまで以上に取り組んでいきます。当社グループにおいて、人材は経営資源であり、企業価値を創造する源泉です。当社グループの成長を担ってきた優秀な人材がさらにパフォーマンスを発揮し、社会との共創価値の好循環を生み出していくためには、「働く意義」「働く環境」「報酬」の3つのエンゲージメントを高めていくことが重要だと考えています。まずはTISから人事制度を改定し、社員一人ひとりが自律的な行動を起こしてチャレンジできる環境を整えることで、個人の成長を促進し、それが会社の成長につながるようにしていきます。

本年を、当社グループの新しいチャレンジや取り組みが実を結ぶ、「ITで、社会の願い叶えよう」を体現できる1年にしていきたいと思います。