フランス共和国データ保護機関CNIL(La Commission nationale de l'informatique et des libertés、情報化および自由に関する国家委員会)は12月22日(フランス時間)、「Cookies : sanction de 60 millions d’euros à l’encontre de MICROSOFT IRELAND OPERATIONS LIMITED|CNIL」において、Microsoftに対して6000万ユーロの制裁金を科したと伝えた。この制裁金は、Microsoftがユーザーに対してCookieを拒否する仕組みを導入していなかったことに対するものとされている。
同機関はMicrosoftのWeb検索エンジンサイトである「bing.com」のCookieに関する苦情を受け、2020年9月と2021年5月に同Webサイトに対して複数回のチェックを実施。Microsoftがユーザーの同意なしに訪問者のデバイスに広告目的のCookieを配置していることが判明し、Cookieを拒否するためのボタンが用意されていないことが明らかとなった。
この調査結果を踏まえ、Microsoftに対して6000万ユーロの制裁金を科したことが公表されている。制裁金の額はCookieの処理の範囲や関係者の数、Cookieから収集されたデータから間接的に得た広告収入の利益から算出したとされている。
制裁金に加え、3カ月以内に同WebサイトのCookieの使用に関する同意をフランスに居住するユーザーに求める仕組みを導入するよう命令も科せられている。この命令に違反した場合、遅延1日ごとに6万ユーロの違約金を支払う義務が発生すると伝えられている。
インターネットにおいて、個人情報を保護することが重要となってきている。組織においてはコンプライアンス遵守を徹底し、個人情報の取り扱いに細心の注意を払うことが望まれている。